強制的に書きなさいと言われ(誰から、とは言えませんが・・・)、ブログ参上。
初めまして、コンセスタッフ・Tです。(コンセ=売店)
先週、授賞式が行われた米アカデミー賞。
「ゼロ・グラビティ」と並び、最多10部門ノミネートされていた「アメリカン・ハッスル」ですが、
残念ながら一つも獲得ならず・・・。
けれど、やっぱり紹介させてください!もうすぐ終わっちゃいますが、紹介させてください!
ハリウッドで、今、最も俳優に信頼されている監督の一人、デヴィッド・O・ラッセル。
何故、信頼を得られるのか。
それは、俳優の能力、魅力、色を最大限まで引き出してくれるからでしょう。
ラッセル監督により、過去、オスカーの栄誉を手にしたクリスチャン・ベイル、
ジェニファー・ローレンスを始め、ブラッドリー・クーパーやエイミー・アダムスなど、
なんと4人が本年度アカデミー賞にノミネートされました。
(この作品には、映画好きなら誰しもが知っているビッグスターも、ノンクレジットでカメオ出演しています)
その気になる映画の内容は、ずばり騙し合いです。
「スティング」や「ユージュアル・サスペクツ」など、過去にもたくさんの騙し騙されの人間模様を描いた作品が
作られてきました。
ですが、ここまで全ての登場人物が人間臭く、生きるために嘘を駆使し邁進していく映画は
初めてではないでしょうか。
とにかくみんな総じて、自分の理念、道理に対して真っ直ぐで、
そこに当然のように、自分と大切な人の幸せを願う気持ちが付随しています。
そして、実在した政治スキャンダルを背景に、1970年代のアメリカを
これでもかというほど堪能できます。
特殊な立場、特殊な境遇で、人生における何かしらの成功を求め嘘をつく
彼らの右往左往ぶりには、40年以上経ち国境を越えても変わらない
普遍的な人間への愛おしさが感じられます。
人はいつも、必要だったり、必要でないにしろ無駄ではない嘘、
ましてやどうして口にしてしまったのか自分ですら分からない嘘をついてしまったりします。
これはつまり、嘘が人間を面白く、時に豊かにしてくれているのでは・・・。
そんな事を思ったりもします。
改めて、本作のタイトル「アメリカン・ハッスル」。
ラッセル監督からの
【この生き方、ハッスル(詐欺)はいかがですか】
というメッセージのこもった、ハリウッドから直送のどこか温かく、
お茶目でダメダメだけど、愛おしい人間たちの物語。
数々のオールディーズに彩られた、異色の人間賛歌を、
ぜひ劇場でご覧ください。